NO.254 『きょだいな きょだいな』
作 長谷川摂子
ある日、1冊の絵本を囲んで、笑ったり、絵本を指さし話したり、書かれている文章を突然暗唱し始める数人の年中児に出会いました。あまりにも楽しそうだったので、子どもたちが絵本を本棚に片付けるときに「見せて!」と借りました。
子どもたちが見ていた絵本の表紙中央には可愛いきつねがちょっぴり首を傾げ、空から降ってきたのでしょうか?UFOのトンネルにも見えるものを見ています。表紙の「きょだいな きょだいな」の文字も楽しそうに踊りながら“早く絵本を開いてください”と誘っているようです。思わず絵本を捲るといきなり広い野原に巨大なピアノが現れました。 そこに書かれていたのは、あったとさ あったとさ ひろい のっぱら どまんなか きょだいな ピアノが あったとさ こどもが100にんやってきて ピアノのうえで おにごっこ キラリラ グワ―ン コキーン ゴガーン
子どもたちの身近にあるせっけん、トイレットペーパーやビン、扇風機などがとにかく大きくて、お話も奇想天外!それなのに絵本の最後のページはなぜか心が“ほっこり!”
子どもたちが体を揺らしながら鼻歌を唄うように「あったとさ あったとさ ひろいのっぱらどまんなか きょだいな・・・」と言いたくなるリズミカルなフレーズが、心地よく子どもの耳に響くのでしょうね。 お子さんと一緒にこのフレーズを楽しんでみてはいかがでしょうか。