横浜市幼稚園協会

子育て応援団 〜絵本の散歩道〜

NO.235 『新幹線しゅっぱつ!』
鎌田 歩/作  福音館書店


 電車の先頭車両に乗ると、運転士さんや運転台を熱心に見つめる子どもたちをよく見かけますね。運転士さんの指さし確認をまねたり、専門用語がとびだしたりと好きなだけに鋭い観察力、集中力に感心させられます。そんな電車が大好きなお子さん、保護者の方にお勧めしたい1冊です。

 物語は、初めて新幹線に乗る、つばさくん、なすのちゃん一家が新幹線の改札口を通るところから始まります。東北新幹線「はやて・こまち17号」が東京駅を出発するまでのホームの様子や慌ただしく働く人々の姿がつばさくんの視点を通して、細かく描かれています。見返しにも東京駅から新青森までの路線図やE2系はやてとE3系こまちの連結切り離し作業のことなど、余すところなく子どもたちが欲しがる情報であふれています。読み終わる頃には保護者の方もすっかり新幹線に詳しくなってしまいます。

なかでも一番の見どころはE3系こまちの運転台が見開き1ページに描かれているところです。この運転台を見ながら、運転士になりきり電車ごっこを楽しむお子さんの姿が目に浮かびます。

  この絵本を持って、お子さんと一緒に東京駅に足を運ばれてはいかがでしょうか。おもしろい発見がたくさんあるはずです。 (優)

新幹線しゅっぱつ!

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