NO.229 『トマトさん』
作 田中清代 福音館書店
「あるなつのひるさがり。まっかにうれたトマトさんがトマトのきから
お話はここから始まります。太陽がぎらりと照って暑くてたまらない夏の日。
トマトさんがおがわに耳をすましてみると「ころころ ぽっちゃん」と涼しそうな音が聞こえてきました。見るとミニトマトたちが次々とおがわへ飛び込んでいます。
そこへとかげがやってきて「トマトさんもおよいだら」と声をかけます。でもなぜかトマトさんは「ぷかぷかおよぐのなんかみっともない」と断ってしまいます。でも、それにはある理由があったのです...。
子どもたちに読んでみたところ、最初は「トマトさんどうしたんだろう?」「なんでおよがないのかなぁ?」といった心配そうな表情をしていましたが、お話が進むにつれてワクワクとした表情に変わり、トマトさんがページいっぱいにごろごろと転がる場面では声を出して笑う子もいましたよ。また、最初はふてぶてしい表情のトマトさんがだんだんと気持ちよさそうな表情に変わっていく姿や、トマトさんの為にとかげや虫たちが協力する姿に「頑張れ―!」と応援したくなります。
今年は梅雨の晴れ間が多く、早くも夏が来たかの様に毎日暑い日が続いていますね。
今回ご紹介した絵本はそんなこれからの暑い季節にぴったりの1冊となっています。
幼稚園の園庭にあるプランターのトマト、きゅうり、なすなどの夏野菜もぐんぐんと成長していて、子どもたちも収穫を楽しみにしています。トマトはまだ赤くなっていませんが、真っ赤になったら冷たい水で冷やして食べたいと思います。Y・Y