NO.221 『 急行「北極号」 』
絵と文 C・V・オールズバーグ 訳 村上春樹 あすなろ書房
子どもは一体何歳くらいまでサンタクロースを信じているのでしょうか。私の園のクリスマス会にもサンタが登場するのですが、年長児の中には、「だって、お兄ちゃんがサンタさんは園長先生が化けてるって言ってた」などと疑っている子どももいます。それでも、幼稚園に来るのは偽者だけど、本物のサンタはちゃんといるんだと思っているようですし、偽者だって言っている子どもも、実際にサンタが登場すると、それまでの表情とは一変してしまいますので、少なくとも幼稚園に在園する年齢までの子どもたちの殆どは、サンタは本当にいると信じているのだと思います。
我家に関していえば、親の隠蔽工作が効を相したのか、長女は小学校6年まではサンタの存在を信じていたようですし、下の子どもも、3?4年まではどうやら信じていたようです。ところが、自分自身に関してはサンタに関しての記憶が全くなく、当然プレゼントを貰ったという思い出なども皆無なのです。ほかの大人の方はどうなのでしょう。
今回紹介する絵本は、サンタの思い出のある方もない方も、この時期是非読んでいただきたい一冊です。この絵本は、1986年度には、アメリカ最優秀絵本にあたるコルデコット賞を受賞していますが、オールズバーグらしい不思議な話が描かれていて、大人になっていくことは何かを失っていくことなのだと、改めて感じさせられてしまいます。