NO.220 『はなたれこぞうさま』
川崎大治:ぶん 太田大八:え
外には木枯らしが吹き、部屋の中でも温さがほしいこれからの季節、子どもたちに読んであげるには昔話絵本がぴったりです。
どんな絵本を読んであげようかと考えたとき思いついたのがこの絵本です。この話は、以前、再話の勉強をしていたとき、子どもたち向けに語りやすいように再話をしたことがありました。同じ題名の絵本が他にもありますが、今回はこの絵本を紹介させていただきます。
売れ残った花をいつも川に流してやっていた男の前にある日、川の中から子どもを抱いたきれいな女の人が現れていいました。
「どうか、この子をおつれください。みたとおり、この子は、はなをたらしておりますが、あなたの のぞみごとは、なんでも かなえてくれます。この子のすきな えびなますを、まい日 あなたが たべさせてやってください。」
なんでも願いごとを叶えてくれる はなたれこぞうさまに、男はほしいものを次から次へと出してもらいました。願いが叶うと男はあそび呆けてばかりいました。はてさて、はなたれこぞうさまと男は一体どうなるでしょう。
他の絵本では男ではなく、じいさま、ばあさまがはなたれこぞうさまとやりとりしたり、いろいろ違いがあります。この絵本では、しぐさ、目の動きなどから、男の欲深さ、人柄の変化などもよく分かります。はなたれこぞうさまのあいてが男でよかったなあと思いました。
太田大八さんの絵はこの話によくあっていて、時代的な背景もうかがえます。
ぜひ、読んでみてください。 (go)