横浜市幼稚園協会

絵本の散歩道(絵本紹介のページ) 〜今月の絵本〜

NO.202 『クリスマスのふしぎなはこ』
長谷川摂子 ぶん    斉藤俊行  え    福音館書店

"ふしぎ"と聞いて、私がすぐに思い浮かべるのは"世界7不思議"。古代ギリシャ時代に選ばれた景観の秀でた7つの建造物を指しますが、なぜか"不思議"と訳されてしまったため、私も長い間その意味を誤解していました。エジプト・ギザのピラミッドやバビロンの空中庭園、オリンピアのゼウス像などがあげられていますが、現存するのが、ピラミッドだけなのは何とも残念です。

昔話や童話、絵本の世界では不思議なことだらけ、そんな中で、もし、不思議な物や道具を7つ選ぶとしたら、何が選ばれるのでしょう。白雪姫の魔法の鏡や一寸法師の打出の小槌などは入るのでしょうか。

今回紹介する絵本に登場する箱も、不思議さと素敵さにおいては"不思議な道具7不思議"に選ばれてもそれこそ不思議ではありません。でも、一体どんな箱なのか、何が入っているのか、誰の箱なのかは、本を読んでのお楽しみ。

この絵本を選んだ理由は、まもなくやってくるクリスマスにちなんだ素敵な絵本であることが勿論一番ですが、それに加え、文章を書かれている長谷川摂子さんが、10月23日に亡くなられたということを、つい最近知ったということもあります。長谷川さんの新しい絵本をもう目にすることができないのかと思うと残念でなりません。ちょっと不思議で楽しい絵本をたくさん創って下さったことへの感謝を込め、ご冥福を心よりお祈りいたします。(S.T)

かいじゅうのいるところ

クリスマスのふしぎなはこ

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