横浜市幼稚園協会

子育て応援団 〜絵本の散歩道〜

NO.160  『 SOMEDAY いつかはきっと・・・・』
シャーロット・ゾロトフ ぶん アーノルド・ロベール え    やがわすみこ やく 

表紙には大きな文字でSOMEDAYと書かれ、Mの字の右肩には花が咲いている植木鉢があります。立派な緞帳のあるステージの中央で、にこやかにバレエを踊っている女の子がいます。見返しをめくると、庭仕事の道具を満載した小さな荷車を押す女の子。もう1枚めくると葉っぱが茂った木の形になっているSOMEDAYの文字に水をかけている女の子。Dの文字の上には卵を温めている小鳥がいます。さあ、何が始まるのでしょう。

いつかは ね
いつかは きっと そうなるんだわ・・・・・

とても長い髪の毛になり、お兄ちゃんから一人前に友達に紹介され、バレエの先生から「エレンをごらんなさい あのじょうずなこと」と言われ、うんとお金持ちになって、知ってる人みんなにプレゼントするの みんながお礼を言っても「どういたしましてそれっぽっち・・・」

枯れ木に水をやるとみるみる生き返ってピンクの花ざかりになり、パパやママにお利口さんとほめられ、ブルドッグと一緒に寝て、本を読みたいなと思ったときにどさっと届き、ママに上等のお皿で食事の用意を頼まれ、お向かいのおばさんにピアノが上手とほめられ、うちの中を歩き回ると見たこともない部屋が見つかる。

これだけ望みがかなうのにまだ「いつかはきっと」が続きます。

「クリスマスツリーだって好きなように飾らせてもらう。パパもママもお兄ちゃんも手伝いっこなしよ」とエレン自身がツリーの最上部で踊り、蛇や猫、ブルドッグ、小鳥の巣から、ソーセージやネズミ、詩の本まで飾ったツリーができました。 。

私は「いつかはきっと・・・」と思えたのは何歳までだったのでしょう。子どもたちは何の不思議もなく「いつかはきっと・・・」と思っているのです。夢を持つ、希望を持つ、成長を願う、素晴らしいことを空想するって素敵ですね。 。

誕生日がくると、今までできなかったことができるようになると、心から思い、かつ願いがかなっていく子どもたちに乾杯。 この本の献辞は「エレンに ― いまのうちのおよみ」です。最後のページには、「だけど いまは・・・・ あーあ もう ゆうごはん」
この終わり方は現実に戻りすぎのような気がします。(具)

SOMEDAY いつかはきっと・・・・

SOMEDAY いつかはきっと・・・・

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