横浜市幼稚園協会

子育て応援団 〜絵本の散歩道〜

NO.129  『 かえるくん どうしたの 』
マックス・ベルジュイス文と絵  清水奈緒子訳   セラー出版      

かえるくんが、川のほとりで ぽおっとしてすわっています。なぜかはわからないけれど、わらいだしたいような、なきだしたいようなへんな気分です。からだのなかでドキドキ音もします。仲間も心配していろいろとかかわってくれます。実はかえるくんには、すきなこができたのです。それは、やさしくて、かわいくて、すてきなしろいあひるさん!さて、かえるくんの想いはあひるさんに届くのでしょうか・・・?それは、読んでのお楽しみ。

私は、主人公の「かえるくん」の気持ちがよくわかる気がしました。この絵本を、恋をしていたときの自分の姿と重ねて読んでいたからです。好きな人に想いを伝えることって何て難しくて、エネルギーが要ることなんだろうと思うのです。傍から見ると、かえるくんの行動はこっけいかもしれませんが、一生懸命あひるさんに自分の気持ちを伝えようとしている姿は思わず応援したくなります。

マックス・ベルジュイスの絵本は、オランダでは子ども達にとても人気があるそうです。先日、原画展に行ってきましたが、原画からも、嬉しいとか悲しいといった人間の心の機微や優しさがにじみ出てくるように感じ、人気の理由がわかる気がしました。

マックス・ベルジュイスは、2004年に、これまでの子どもの本に対する全業績が評価され国際アンデルセン画家賞を受賞されていますが、残念なことに2005年に逝去されました。 ライフワークとなった「かえるくん」シリーズは、15年間に12冊出ていて、この絵本がその1冊目にあたります。かえるくんとそのなかまたちがくりひろげるお話をじっくり子ども達と読んでいきたいと思っています。(k、s)

かえるくんどうしたの

かえるくんどうしたの

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