横浜市幼稚園協会

子育て応援団 〜絵本の散歩道〜

NO.97  『 わたし 』
谷川俊太郎 ぶん  長 新太 え   福音館書店 

真っ白な背景の中には、おかっぱ頭の女の子がひとり、その上にはオレンジ色で「わたし」と題名が書かれているだけのシンプルな表紙の本ですが、でも裏をみるとピンクとオレンジ色のストライプの中に、大きなひとの影が浮かび上がっています。その影が表紙の女の子と、どんなお話を作り上げているのか興味を持ちページをめくると、表紙同様の真っ白なページにおかっぱ頭の女の子がひとり「わたし」、隣のページにはオレンジ色の中に男の子が描かれ「おとこのこからみるとおんなのこ」、次のページは、緑色の中に赤ちゃんが描かれ「あかちゃんからみるとおねえちゃん」など、女の子を取り巻く立場の違いで、呼び方が変化するさまが描かれています。

この本を読んで園の生活の中で何気なく使っている、「男の子」や「女の子」という言葉も入園したばかりの年少児には、通じる子と通じない子がいて、「女の子はね、このジャンパースカートをはいている人のことなのよ」などと具体例をだして知らせたことを思い出しましたが、年長児でも「孫」や「姪」という言葉になると、理解するのは難しくなったりもするので、絵やリズミカルな言葉を通してわかりやすく知ることができます。

わたしは、おにいちゃんからみると「妹」でも犬から見ると「人間」・・

「わたしはわたし」であり続けながらも多くの側面をもっていることを再確認することができる本です。          はな 

わたし

わたし

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