ＮＯ．86　 『 おふろやさん 』
福音館書店　　西村繁男　作 　

おふろやさん、銭湯、健康ランド、最近ではスーパー銭湯等、呼び名は色々ですが、お金を払ってお湯につかる事にはかわりありません。この絵本には、、家族でおふろやさんに行って帰るところまでの様子が描かれています。この風景は、ほんの少し前まで日本でよく見慣れた日常生活の一コマです。私が子どもの頃のおふろやさんの記憶と言えば、プールのような大きな湯船、そこで時には模型の船や潜水艦を走らせて遊んだこと、また、お風呂上りに買ってもらったラムネやジュースの美味しかったことが思い出されます。皆さんは、いかがですか？

最近では、お風呂がある家がほとんどなので日常的におふろやさんに出かける人も、おふろやさんの数も少なくなっています。今では、この絵本のような建物（脱衣場、浴場等）のおふろやさんは、貴重なものになっています。今の子ども達にとっては、近所にある一種の歴史的建造物なのかもしれません。お父さんやお母さん等の大人には、懐かしく、子ども達には新しい、そんなこの絵本は、子ども達にとってひとつの日本文化への案内書になるのかもしれません。

また、絵本には、最初のページこそ文章がありますが、それ以後まったく文章がなく、絵から、楽しみ、マナー、驚き、不思議等色々なことを子ども達が、発見できる一冊です。読み終わったら、親子でおふろやさんに出かけてみたくなるかもしれません。　

ＡＮＤ　

おふろやさん

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