横浜市幼稚園協会

子育て応援団 〜絵本の散歩道〜

NO.72  『 くまのコールテンくん 』
ドン・フリーマン さく  まつおかきょうこ やく  偕成社

コールテンはデパートのおもちゃ売り場で売られているくまのぬいぐるみ。毎日誰かが買いに来てくれるのをじっと待っています。ある日、お母さんと一緒にやってきた女の子がコールテンを気に入り、「買ってほしい」と頼みますが、お母さんに「お金を沢山使ってしまったし、ボタンも取れているから・・・」と反対され、女の子はその場から去ってしまいます。ボタンが無いことに気付いたコールテンは閉店後の夜のデパートをボタンを見つけるために歩き回ります。

結局ボタンは見つからず、家具売り場にいるのを警備員に発見され、もとの場所に戻されたコールテン。しかし、昨日の女の子がやってきて、自分のお金でコールテンを買い、新しいボタンもつけてくれます。 。

コールテンがひとりデパートの中でボタンを探して歩く姿は、見ているとドキドキして、なぜか応援したくなってしまいます。自分の欠けている部分に気がついて、何かを得ようと努力しているように思え、私たちに勇気を与えてくれるような気がします。

女の子が沢山のぬいぐるみの中から、ボタンの無いコールテンをなぜ選んだのか・・・。きっと女の子はボタンの有無などを超えて、コールテンの本当の良さを感じ取り、お互いの心が通じ合ったのでしょう。ひとりぼっちの自分を感じるのは誰だって寂しいもの。でも、そんな時自分を理解して見守ってくれる存在を感じることができたら幸せだと思います。 M・I

くまのコールテンくん

くまのコールテンくん

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