NO.255 『ベルナルさんのぼうし』
いまい あやの作 / BL出版
いまいあやのさんは1980年イギリス生まれの絵本作家です。今まで「108ぴきめのひつじ」 「くつやのねこ」 「イソップ物語 13のおはなし」「チャッピィの家」などの絵本を作り国際的に実力を評価され活躍しています。
この絵本は2004年のイタリア ボローニャ国際絵本原画展、入選作を、新たにストーリーを練り直し作り上げました。
ベルナルさんのキャラクターはそのとき誕生し、当時は「クマなのか、オオカミなのか?」と謎の生きものとして紹介されたりもしたそうです。
最初はクマが空を飛ぶ鳥たちに憧れるというストーリーを考えていたのですがうまくまとまらず、帽子の中に鳥が住むというストーリーを思いつきました。
くまのベルナルさんには友だちがいません。いつもひとりぼっちです。
ある日、ベルナルさんの帽子にキツツキが穴をあけはじめました。穴から動こうとしないキツツキ、他の鳥たちもやってきて新しく穴を作ってしまいます。どんどん高くなっていく帽子、ひとりぼっちの
ベルナルさんの心も変化していきます。
繊細なタッチで描かれたこの絵本に、見ている子どもたちも読んでいる私も魅了され、温かい気持ちになって本を閉じました。 (go)