NO.211 『ママ、ママ、おなかがいたいよ 』
さく・え レミイ・シャーリップ
さく バートン・サプリー
やく つぼい いくみ
今、復刻版がブームになっていますね。身近なところではカップヌードル、フライドタツタ、カルピス等々。こういった復刻版がブームなのには理由があるとか・・・それは購入する側に3つの感情があるからだそうです。
1つ目は過去に慣れ親しんだ商品を見つけて手に取り「懐かしい」と思う懐古感やオリジナル商品をリアルタイムで購入したことのない若い世代には、復刻版が醸し出すレトロ感が斬新と感じられ興味を引くのだそうです。
2つ目は「これ知ってる」という安心感
3つ目はこれを逃したら、いつ購入できるかわからないという限定感
そう言われると「ふむ ふむ」とうなずく人もいるのではないでしょうか?
絵本の復刻版にこの3つの感情が当てはまるのかは定かではありませんが、今回ご紹介する絵本も福音館60周年記念に復刻版になった十数冊のシリーズの中の1冊です。
私の知っている絵本の中には、見ることの無かった、デザインと色使いの表紙に心魅かれ手に取りました。この絵本は前のページはシルエット、次のページで色つきになったり
絵本冒頭に書かれている、だれかわたしのぼうしをみなかった?と机の下にもぐっている女の人、その後ろでお腹を風船のように膨らませた子どもが「ママ、ママおなかがいたいよ。おいしゃさんよんで、はやく、はやく、はやく」という場面で「たべちゃったんだよ!」と子どもたちが答えた時には「えっ!どうしてわかったの?」と子どもの勘の良さに驚きました。お医者さんが家に向かう場面では「海を走ってる!」と叫び、魚を引っ張り出すところでは「こんどはさかなだ〜」と笑いだしました。
ありもしないことが目の前で起こるナンセンスの面白さに、次は何が出てくるのかなと子どもたちも絵本を食い入るように見ていました。
ただ、一般に販売するのには今少し時間が必要のようです。
はな